ラーメン官僚かずあっきぃが行く!二杯目『ケンちゃんラーメン 古河店』@茨城・古河



ラーメン食べ歩き歴35年。TRY審査員として一都三県の新店、名店はもちろんのこと、日本全国のラーメン店の情報に精通しているラーメン官僚かずあっきぃ氏。年間平均730杯、総実食杯数は21500杯(2025年10月時点)というエキスパートが、最近食べ歩いた地方のラーメンで、特に印象に残った一杯を連載形式で紹介していきます。

今回ご紹介するのは、2024年3月15日、茨城県古河市にオープンした『ケンちゃんラーメン 古河店』。

2025年12月に満を持して営業再開!『ケンちゃんラーメン』グループの関東初進出店

同店は、山形県酒田市に本店を構え、東北各地(山形県、秋田県、青森県)に支店を展開する『ケンちゃんラーメン』グループの関東初進出店舗。開業時に「ケンちゃんラーメンが『白河の関』を越えた」と、耳目を集めたのは、記憶に新しいところだ。

そんな同店が、2025年4月に突如として休業に入り、再開を待ち侘びる声が多数上がっていたことは周知の事実だが、同年12月3日、その声に応えるように満を持して営業を再開。

ロケーションは、古河駅(JR東北本線)から約1.2km。私は今回、開業当初以来3度目の訪問だったが、再開の事実があまり知られていないのか、店前の記帳を見ると、待機客はわずか6名。記帳から10分も経たないうちに、スタッフに呼ばれ店内へと招かれた。

メニューは一択! 麺、味、油がカスタマイズ可能。‟身入り“は「あり」に!

同店が繰り出すのは「中華そば」(普通・大盛・小盛)のみ。「麺の硬さ」「味の濃さ」「油の濃さ(量)」、そして「身入り(身=豚腹脂)」を好みに応じて選択できる仕様は、『ケンちゃん』の個性であり、『古河店』でも健在だ。

私は、「麺硬め」「濃い口」「油ぽく(油多め)」「身入り」を指定。特に、豚腹脂の豊潤な甘みが堪能できる「身入り」は、『ケンちゃん』によって確立されたアイデンティティのひとつであり、指定を強く薦めたい。

厨房でのオペレーションは実にスムーズで、待ち時間5分弱で注文の品が登場。

自家製太縮れ麺の軽快な麺の喉越しは、不規則な縮れが生む大いなる福音

丼の縁近くまで湛えられた大量のスープの中を、さまざまな形状の自家製太縮れ麺が自由気ままに泳ぐ様は、圧巻のひと言。表層の液状油は複雑玄妙な紋様を描き、ひとつとして同じ絵柄にはならない。

表情に彫りを与える油の効果によって醸し出される絶妙なハンドメイド感は、『ケンちゃん』ならでは。熟練のラーメンマニアであれば、店名が伏せられていても、「これは『ケンちゃん』の中華そばだ」と瞬時に見抜けるほどだ。

レンゲを滑らせスープを啜り上げれば、清冽なカエシの酸味が瞬く間に味蕾を刺激。その後、煮干しの淑やかな滋味と動物系素材の円やかなコクが徐(おもむろ)に立ち上がり、酸味を果てしなく追走する。

自家製麺の縮れが唇を心地よく刺激し、際限なき啜りの連鎖を生む。太さの割に軽快な麺の喉越しは、不規則な縮れが生む大いなる福音だ。

啜りを重ねるにつれ、やがて出汁とカエシが不可分に交じり合い、麺との馴染みも右肩上がりに深化。ガッツリ系ラーメンに匹敵する300gもの麺量を労することなく完食させる引きの強さは、並大抵のものではない。

行列が定着する前の今がチャンス。関東の地で、山形ラーメンの「風」を存分に体感してもらいたい。

『ケンちゃんラーメン 古河店』店舗情報

  • 住所:茨城県古河市大堤61-5
  • 交通:JR東北本線古河駅より徒歩20分

※詳細は公式SNS等でご確認ください

『田中一明』プロフィール

田中一明 プロフィール画像

通称「ラーメン官僚かずあっきぃ」。食べ歩きのペースは年間平均730杯。日本全国のラーメン店の情報に精通していて、主な名店はほぼ実食済み。テレビや雑誌、Webなどメディア露出も多く、情報発信の場は多岐にわたる。