20年連続でTRYを受賞した伝説の元店主が激推し!一都三県の珠玉の醤油ラーメン店 Vol.4-埼玉・千葉編



TRY名店審査員の星野能宏が「一都三県の珠玉のラーメン店」を紹介してきた本企画。ラーメン店を20年ほど営んできた私が、愛してやまない珠玉の名店をご紹介します。

4回目となる今回は、醤油!

埼玉を代表する有名店『四つ葉』のセカンドブランド店! ふくよかな旨みと香りに満ちた圧巻のスープ 『中華そば 深緑』@埼玉・東松山

 『中華そば 深緑』のラーメン「黒出汁」
「黒出汁」

埼玉を代表する有名店『中華そば 四つ葉』の岩本店主が営むセカンドブランド店(本店とは異なるコンセプトと味で展開する店舗)。六白(ろっぱく)黒豚の豚骨、松阪牛の牛骨、東京軍鶏、博多地鶏などの動物系の出汁と、牡蠣、アサリ、ハマグリなどの貝類の出汁、そして、ごぼう、マッシュルーム、白菜など野菜の出汁をバランス良く合わせた、素材が織り成す圧巻のスープが大きな特徴。

濃口醤油ダレの「黒出汁」か淡口醤油ダレの「白出汁」のどちらかを選ぶことができ、いずれも魅力的なので、行くたびに迷ってしまう。

『中華そば 深緑』のラーメン「白出汁」
「白出汁」

多種の素材のふくよかな旨みと香りに満ちた唯一無二のスープは、どの素材が突出するでもなく見事に調和し、時間経過とともに移ろう風味の変化が愛おしい。

しっとりした麺肌(麺の表面の状態や質感)の極上の自家製麺や、バラ、肩ロースなどの部位が選択できるもろみポークのチャーシューも絶品。

また、彩りを添えるなるとには、練り物本来の美味しさが味わえる、老舗『小田原籠清』の「無添加なると」を使用するなど、細部に至るまで一切の妥協を許さない哲学がうかがえる。

『中華そば 深緑』店舗外観

2020年開業当初のシャープなキレと香り豊かな一杯から、ここ2年ほどはコク重視の豊潤な仕上がりに移行している印象。抜群のバランス感覚を持つ岩本店主ならではの感性で、天井知らずに進化していくであろう『深緑』から、今後もますます目が離せない。

『中華そば 深緑』店舗情報

※詳細は公式SNS等でご確認ください

名店部門の殿堂店『ajito ism』の店主が営む、王道にして個性溢れる「中華そば」! 『三つ由』@千葉・馬橋

『三つ由』店舗前ののれん

「ピザソバ」「つけ麺ロッソ」※など、数多くの創作麺を生み出し、「TRYラーメン大賞」名店部門の汁なしカテゴリーで名店部門の殿堂入りを果たした『ajito ism(アジトイズム)現在は閉店』の三浦店主が、移転し心機一転。醤油ラーメンを究めるべく、千葉県松戸市にある馬橋の住宅街に『三つ由(みつよし)』を構えたのが2023年のこと。

※「ピザそば」:ピザやタコスの要素を取り入れたまぜそば、「つけ麺ロッソ」:トマトベースの野菜スープに背脂や魚介出汁を合わせたつけ麺

『三つ由』店舗外観

つけ麺とまぜそばなどの創作麺を中心に提供していた『ajito ism』時代、頑なにラーメン作りを拒んできた三浦店主が満を持して取り組んだ一杯は、地域にマッチするようなじんわりと染みるスープだった。創業当時の一杯は決して悪くはなかったものの、どこか暗中模索しているような印象だった。

ほどなくして大病を患い、休業を余儀なくされたが、逆境を乗り越え、天才はパワーアップして帰ってきた。

『三つ由』のラーメン「中華そば」
「中華そば」

鶏、煮干し、アサリというスープの基本構成はそのままに、食欲をそそる豊かな香りと、ほとばしるような旨みとコク深さが段違いにアップ!

その理由を尋ねたところ、味の深さやコクの厚みを増すために鶏ひき肉を使うようにしたこと、香りの立ち上がりを良くするために食材を時間差で投入したこと、スープを引き立てるために醤油ダレの構成を調整したことなど、さまざまな改良点を伺うことができた。

そして何より、奥様と阿吽の呼吸の会話でとても活き活きとラーメンを作る三浦店主が印象的だった。

初訪問の方はもちろんのこと、開店以来しばらくご無沙汰という方にこそ、自信を持っておすすめしたい一杯だ。

『三つ由』の店舗前メニュー立て看板

『三つ由』店舗情報

  • 住所:千葉県松戸市西馬橋蔵元町186-2
  • 営業:11:00〜14:00
  • 休み:火・金
  • 交通:JR常磐線ほか馬橋駅西口より徒歩7分
  • 公式X:https://x.com/ajito_ism/

※詳細は公式SNS等でご確認ください

『星野能宏』プロフィール

星野能宏のプロフィール画像

TRY名店審査員。20年連続でTRYを受賞した伝説の名店『きら星』(現在無期限休業中)の元店主。全国を食べ歩くラーメンフリークでもあり、『第6回TVチャンピオンラーメン王選手権』では3位に輝いた実績を持つ。